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はじめに
Nays2d+はNays2dで得られる水深平均2次元流れの計算結果に対して、以下の手順で 疑似的な3次元流れ場を計算・表示するするソルバーである。
水深平均の流線を計算し、
流線の曲率半径を計算し、
これと局所水深、局所水深平均流速から深さ方向の流速分布(流線方向と流線に直交する方向)を算定し
これを最終的にx,y方向の流れに戻して表示する。
本来の3次元モデルでは膨大な計算時間がかかるのに対して、 2次元計算と同じ計算時間で気軽に準3次元計算結果が、 それもかなりの信憑性を伴って得られるので、とっても便利なソルバーである。 流線の曲率から算出する2次流れの流速分布は Engelund(1974) の理論式を用いている. Nays2d+で使用されている基礎式は こちら である。 Nays2d+は iRIC version 3.x以降のバージョンで動作可能である。



2021年1月1日 清水康行
概要
Nays2d+における主な操作手順は以下のとおりである、
Nays2d+の起動
iRIC上でのNays2d+の起動は以下の通りである。
iRICを起動し、以下の画面で[新しいプロジェクト(N)] をクリックする。

: Create new project_1
[ソルバーの選択] の画面 Figure 2. で [Nays2d+ 簡単に3次元流れの計算ができます] をクリックし[OK]をクリックする.

: Create new project_2
タイトルバーに 無題-iRIC 3.x.xx.xxxx [Nays2d+ 簡単に3次元流れの計算ができます] と書かれた画面が現れ Figure 3.

: Create new project_4
Nays2d+の使用準備が完了となる。
この後、下記の手順となるが、実際の操作方法は次章の計算事例集で説明する。
・格子の作成
・計算条件設定
・計算実行
・計算結果を表示
計算事例集
ここでは実際にNays2d+を用いた計算例を示す。
[計算例 1]60°単純曲線水路
Nays2d+で簡単な湾曲水路の準3次元計算をします。
ソルバの選択
iRICの起動画面から、[新しいプロジェクト]を選ぶと表示されるソルバの選択画面で、 [Nays2d+ 簡単に3次元流れの計算ができます]を選んで[OK]ボタン押すと、

: ソルバーの選択
「無題- iRIC 3.x.xxxx [Nays2d+ 簡単に3次元流れの計算ができます]」と書かれた Windowが現れる。

: 無題
Figure 5 のウィンドウで、[格子]→[格子生成アルゴリズムの選択]から現れる、 「格子生成アルゴリズムの選択」ウィンドウ で[2次元円弧形水路格子生成ツール]を選んで[OK]を押す。

: 格子生成アルゴリズムの選択
計算格子の作成

:水路形状(基本設定)
Figure 7 の画面で、「水路形状(基本形状)」を選択し、 「断面形状」を[放物線]、「砂州波高または放物線断面の中央部深(m)」を[4], 「水路中心の半径(m)」を[4]、「円弧の角度(度)」を[60]、「水路幅(m)」を[40]、 「流下方向格子サイズ(m)」を[10],「横断方向格子数」を[10]、「水路勾配」を[0.01]に 設定する。

:水路形状(追加)設定
Figure 8 の画面で、「流入部」「流出部」をいずれも[あり]、「長さ」を[10]mに 設定し、最後に[格子生成]ボタンを押す。

:確認(マッピング)
すると、Figure 9 確認ウィンドウが現れるので,[はい(Y)]を押すと格子が生成され、 下図 Figure 10 が表示される。

:格子生成完了
ここで確認のためににオブジェクトブラウザーで「格子」「格子の属性」「河床高」にチックマークを付けて 表示させると Figure 11 のように断面形が放物線形で上下流に直線部を伴う単純な曲線 水路が生成されたことが分かる。

:格子生成完了
計算条件の設定
次に計算条件の設定を行う。メニューバーから「計算条件」→「設定」を選ぶと、 計算条件設定ウィンドウ Figure 12 が表示される。

:モデルパラメータ
Figure 13 の「流量および読み込みファイル」で[Edit]を クックして、流量ハイドログラフ入力ウィンドウ Figure 14 に 移る。

:流量設定

:流量下流端水位設定ウィンドウ
Figure 14 において、「時間」「流量」のハイドログラフを入力する。 ここでは、0~120秒まで、120㎥/sの一定流量を与える。設定が終わったら[OK]を押して ウィンドウを閉じる。

:時間および浸食に関するパラメータ
「時間および浸食に関するパラメーター」は Figure 15 のように設定する。

:3次元流速分布
「ホットスタート」「境界条件」「水面形状」「他の計算条件」はデフォルトのままとし、 「3次元流速分布]は、 Figure 16 のように設定して 「保存して閉じる」をクリックする。
計算の実行

:計算実行中の画面
[計算]→[実行]を指定すると、「保存しますか?」など聞かれるので、 特別な理由が無い限りは「はい(Y)」を選択すると、計算が実行され、 終了すると、Figure 17 のような画面が現れる。 ここで、[OK]を押して、計算は終了となる。
計算結果の表示
計算の終了後、[計算結果]→[新しい可視化ウィンドウ(2D)を開く]を選ぶことによって、可視化ウィンドウが現れる。

: 計算結果の表示(1)
「Ctrl」ボタンとマウス右ボタンを押しながらマウスを上下左右に動かすことによって、 3次元的な見え方が、また、マウスぼセンターダイヤを回すことにより、 Figure 19 のような 拡大・縮小が可能となっている。

: 3D格子の移動・拡大・縮小
水深の表示
オブジェクトブラウザーで、「スカラー(格子点)」の「Depth」に☑マークを入れて、 右クリックして[プロパティ]をクリックすると、 「スカラー設定」ウィンドウ Figure 20 が現れる。

: スカラーの設定
Figure 20 の赤囲いの部分の設定をして、[OK]をクリックすると Figure 21 が表示される。ここでカラーバーはオブジェクトブラウザーで「Depth」を押した状態で、 左マウスで移動出来る。縦横の変更も可能である。また、時刻表示のフォントの変更も オブジェクトブラウザーの「時刻」「プロパティ」で可能である。( Figure 22 参照。) 。

: 水深の表示

: カラバーの移動と時刻表示のサイズ変更
流速ベクトルの表示
オブジェクトブラウザーで、[ベクトル][Velocity]に☑マーク入れて、 [ベクトル]をフォーカスさせてマウス右ボタン[プロパティ]をクリックすると、 「ベクトル設定」ウィンドウ Figure 23 が現れる。ここで、赤丸の設定をして[OK]を 押すと Figure 24 が表示される. Figure 24 は水深平均流速ベクトルである。

: ベクトル設定

: 水深平均流速ベクトル表示
Figure 24 の状態で、オブジェクトブラウザーの「ベクトル」の「SurfaceVelocity」に ☑マークを入れると「表面流速ベクトル」 Figure 25 が、また、 「BottomVelocity」に☑マークを入れると 「底面近傍流速」 Figure 26 が表示される。

: 表面流速ベクトル表示

: 河床近傍流速ベクトル表示
Figure 24 、Figure 25 , Figure 26 を比較すると、 明らかに水深平均流速は流路に平行、表面流速は外岸向き、底面流速は内岸向きになっており、 湾曲部の2次流が計算されていることが分かる。
流線の表示
オブジェクトブラウザーの「ベクトル」を一旦アンチェックし、「流線」に☑マークを入れる。 「Velocity」に☑マークを入れると「水深平均流速」による流線 Figure 27 が、 「SurfaceVelocity」に☑マークを入れると「表面流速」による流線 Figure 28 が、 「BottomVelocity」に☑マークを入れると「底面近傍流速」による流線 Figure 29 が 表示される。

: 水深平均流速による流線

: 表面流速による流線

: 河床近傍流速による流線
ベクトルと同様に、湾曲部の2次流の影響が計算されている。
[計算例 2] 360°円形水路における流れ
Nays2d+を用いて、360°円形水路の流れの計算を行う。
計算格子の作成
計算格子の作成は[2次元円弧形水路格子生成ツール]を用いる。 Figure 30 で[Nays3dv用格子生成ツール]を選択し。[OK]をクリックする。

: 格子生成アルゴリズムの選択
下図の Figure 31 で赤囲いの部分を設定し、格子生成をクリックすると。 Figure 32 が表示され「マッピングを実行しますか?」と聞かれるので、 [はい(Y)]をクリックすると、格子が表示される。

: 格子生成: 水路形状(基本)

: マッピングの実行
格子が表示されたら、「格子」「格子点の属性」「河床高」に☑マークを入れると 放物線断面で一定勾配の360°円形水路の格子が生成されたことが確かめられる。 ( Figure 33 )

: 格子生成の完了
計算条件の設定
メニューバーから[計算条件]→[設定]を選ぶと「計算条件」入力用のウィンドウが表示される ( Figure 34 )

: 計算条件:モデルパラメータ
「計算条件」ウィンドウ Figure 34 の「流量および読み込みファイル」で [Edit]をクリックし、

: 計算条件:流量ハイドログラフ設定
「流量ハイドログラフ設定」ウィンドウで Figure 35 のように設定するし、 [OK]をクリックする。

: 計算条件:時間および繰り返し計算パラメーター
「グループ」の「時間および浸食に関するパラメーター」は Figure 36 のように設定する。

: 計算条件:境界条件
「グループ」「境界条件」の「周期境界条件」は、無限に続く円形水路の計算なので、 「適用する」に設定する。

: 計算条件:3次元流速分布
「グループ」「3次元流速分布」の設定は Figure 38 のように設定して 「保存して閉じる」をクリックする。
計算の実行

:計算実行中の画面
[計算]→[実行]を指定すると、Figure 39 のような画面が現れ計算が始まる。

:計算の終了
計算が終了すると, Figure 40 のような表示がされる。
計算結果の表示
計算の終了後、[計算結果]→[新しい可視化ウィンドウ(2D)を開く]を選ぶことによって、可視化ウィンドウが現れる。

: 計算結果の表示(1)
水深の表示
オブジェクトブラウザーで、「スカラー(格子点)」の「Depth」に☑マークを入れて、 右クリックして[プロパティ]をクリックすると、 「スカラー設定」ウィンドウ Figure 42 が現れる。

: スカラーの設定
Figure 42 の赤囲いの部分の設定をして、[OK]をクリックすると Figure 43

: 水深の表示
流速ベクトルの表示
オブジェクトブラウザーで、[ベクトル][Velocity]に☑マーク入れて、 [ベクトル]をフォーカスさせてマウス右ボタン[プロパティ]をクリックすると、 「ベクトル設定」ウィンドウ Figure 44 が現れる。ここで、赤丸の設定をして[OK]を 押すと Figure 45 が表示される. Figure 45 は水深平均流速ベクトルである。

: ベクトル設定

: 水深平均流速ベクトル表示
Figure 45 の状態で、オブジェクトブラウザーの「ベクトル」の「SurfaceVelocity」に ☑マークを入れると「表面流速ベクトル」 Figure 46 が、また、 「BottomVelocity」に☑マークを入れると 「底面近傍流速」 Figure 47 が表示される。

: 表面流速ベクトル表示

: 河床近傍流速ベクトル表示
Figure 45 、Figure 46 , Figure 47 を比較すると、 明らかに水深平均流速は流路に平行、表面流速は外岸向き、底面流速は内岸向きになっており、 湾曲部の2次流が計算されていることが分かる。
流線の表示
オブジェクトブラウザーの「ベクトル」を一旦アンチェックし、「流線」に☑マークを入れる。 「Velocity」に☑マークを入れると「水深平均流速」による流線 Figure 48 が、 「SurfaceVelocity」に☑マークを入れると「表面流速」による流線 Figure 49 が、 「BottomVelocity」に☑マークを入れると「底面近傍流速」による流線 Figure 50 が 表示される。

: 水深平均流速による流線

: 表面流速による流線

: 河床近傍流速による流線
ベクトルと同様に、湾曲部の2次流の影響が計算されている。
[計算例 3] Sine-Generated Curve蛇行水路における流れの計算
計算格子の生成
計算格子の作成は「簡易直線・蛇行生成ツール」を用いる。 Figure 51 で示すように選択し。[OK]をクリックする。

: 格子生成アルゴリズムの選択
下図の Figure 52 で赤囲いの部分を設定する。

: 格子生成: 水路形状
下図 Figure 53 で赤囲いの部分を設定し、 格子生成をクリックすると、 Figure 54 が現れ、「マッピングしますか?」と聞かれるので、 [はい(Y)]を選択すると、格子生成が完了する。

: 格子生成: 河床形状

: マッピングしますか?
オブジェクトブラウザーで、「格子」「格子点の属性」「河床高」に☑マークを 入れると Figure 55 のように、河床に砂州がある河床が形成された ことが確認できる。

: 河床形状の確認
計算条件の設定
メニューバーから[計算条件]→[設定]を選ぶと「計算条件」 入力用のウィンドウが表示される( Figure 56 )

: 計算条件:モデルパラメータ
「グループ」ウィンドウ Figure 56 の「流量および下流端水位の設定」 で「Edit」をクリックすると、 Figure 57 が現れるので、赤囲いの部分を 入力して、[OK]を押す。

: 計算条件:流量ハイドログラフの入力
「グループ」の「時間および浸食に関するパラメーター」は、 Figure 58 の赤囲いのように設定する。

: 計算条件:時間およに繰り返し計算パラメーター
「グループ」の「3次元流速分布」は、 Figure 59 の赤囲いのように設定する。 設定が終了したら、[保存して閉じる]をクリックして、計算条件の設定を終了する。

: 計算条件:3次元流速分布
計算の実行

:計算実行中の画面
[計算]→[実行]を指定すると、Figure 60 のような画面が現れ計算が始まる。

:計算の終了
計算が終了すると, Figure 61 のような表示がされるので、[OK]をクリックする。
計算結果の表示
計算の終了後、[計算結果]→[新しい可視化ウィンドウ(2D)を開く]を選ぶことによって、可視化ウィンドウ(3D)が現れる。

: 計算結果の表示
「Ctrl」ボタンを押しながら左マウスを上下左右に動かすことによって移動、 マウスのセンターダイヤを回すことにより拡大・縮小が可能となっている。
水深コンターの表示
オブジェクトブラウザーで、「スカラー(格子点)」「Depth(m)」の「Depth」に☑マークを入れて、 「Depth(m)」を右クリック、「プロパティ」で現れる、「スカラー設定」ウィンドウ Figure 63 を図のように設定して[OK]をクリックすると、水深分布のコンターマップ Figure 64 が表示される。ここでカラーバーはオブジェクトブラウザーで 「Depth」を押した状態で、右マウスで押さえながら移動したり、 縦横のレイアウトを変更したり出来る。 また、時間の表示はオブジェクトブラウザーで「時刻」を右クリックして「プロパティ」で フォントやサイズを変更出来る。( Figure 65 )参照。

: スカラーの設定

: 水深コンター

: カラーバーの移動と時刻表示の変更
流速ベクトルの表示
オブジェクトブラウザーで、[ベクトル]、[Velocity]に☑マーク入れ、「ベクトル」 右クリック、「プロパティ」で 「ベクトル設定」ウィンドウ Figure 66 が現れる。

: ベクトルの設定
Figure 66 のようにベクトルに関する各パラメータを設定し、[OK]ボタンを押す。 と、水深平均流速ベクトルが表示される。( Figure 67 )。

: 水深平均流速ベクトル図
ここで、「ベクトル」の「SurfaceVelocity」に☑マークを入れると、 Figure 68 に示す表面流速ベクトル図、 「ベクトル」の「BottomVelocity」に☑マークを入れると、 Figure 69 に示す底面近傍流速ベクトル図が表示される。

: 表面流速ベクトル図

: 底面近傍流速ベクトル図
流線の表示
オブジェクトブラウザーで、「ベクトル」の☑マークを外し、 「流線」「Velocity」に☑マークを入れると、水深平均流速による流線が表示される。 ( Figure 70 )

: 水深平均流による流線
同様に、「SurfaceVelocity」に☑マークを入れると Figure 71 の表面流速による流線、 「BottomVelocity」に☑マークを入れると Figure 72 の底面流速による流線が表示される。

: 表面流速による流線

: 底面近傍流速による流線
パーティクル表示およびアニメーション
オブジェクトブラウザーで、「流線」の☑マークを外し、「パーティクル」 「Velocity]に☑マークを入れ、 Figure 73 に示すように タイムバーを0に戻して、プレイボタンを押すと、 Figure 74 のように水深平均流速によるパーティクルアニメーションが表示 される。

: パーティクルアニメーションの開始

: 水深平均流速によるパーティクルアニメーション
同様に、「SurfaceVelocity」に☑マークを入れると Figure 75 の表面流速によるパーティクルアニメーション、 「BottomVelocity」に☑マークを入れると Figure 76 の底面流速による流線が表示される。

: 表面流速によるパーティクルアニメーション

: 底面近傍流速によるパーティクルアニメーション
Figure 74 , Figure 75 , Figure 76 を比較すると、 パーティクルは表面ほ外岸に向かい、底面ほど内岸に向かう湾曲部の2次流の特徴を良く表している。
[計算例 4] 実河川における準3次元流れの計算(単断面)
ソルバーの選択
メニュー画面で、「ファイル」「ソルバの選択」で表示される Figure 77 で「Nays2d+」を選択して「OK」をクリックする。

: ソルバーの選択
河床高標高データ(横断データ)の読み込み
Figure 78 で「インポート」「河床高」を選択する。

: 河床高ファイル(rivファイル)のインポート
Figure 79 で、「single.riv」を選択して[開く]。(single.rivは、 https://i-ric.org/yasu/fw/rivfiles/single.riv からダウンロードして ローカルに保存しておくこと)。

: ファイルの選択
Figure 80 のように「問題が見つかりました」と出るが、構わず[OK]をクリックして 続ける。

: 見つかった問題
Figure 81 「河川測量データインポート設定」 のウィンドウで、 「左岸と右岸の中点」を選択して[OK]をクリック

: 河川測量データインポート設定
Figure 82 rivファイルのインポートが完了する。 なお、実際の河川のrivfileは横断測量断面そのままの場合、断面どうしの交差の回避や不要部分の 無効化など様々な編集が必要となるが、ここでは編集済みのもの用意してある。実際はそれぞれの 状況に応じた対応が必要となる。

: インポート完了
格子の生成条件の設定
Figure 83 のメニュー画面で、「格子」「格子生成アルゴリズムの選択」を選ぶ

: 格子生成アルゴリズムの選択
Figure 84 「格子アルゴリズムの選択」画面で、「河川測量データから生成」を選んで[OK]をクリック

: 河川測量データから生成
Figure 85 格子生成条件設定完了。各横断線の両端とセンターに青丸が表示された画面となる。

: 格子生成条件設定終了
格子の生成
横断線のうちの一つ(どれでも良い)を選択し、左右岸どちらでも良いので右クリックして、 「分割点の追加(A)」を選択する。

:分割点の追加(1)
「分割数」ここでは[4](中央から半分の断面を4分割するという意味)を指定して[OK]をクリック。

:分割点の追加(2)
Figure 86 で選択したのと反対側の横断線を選んで、右クリックし、 「分割点の追加(A)」を選択する。

:分割点の追加(3)
「分割数」ここでは[4] Figure 87 で指定したのと同じく 左右岸対称の分割数とする。

:分割点の追加(4)
縦断方向の分割数は一括して指定する。メニューバーから「格子」「格子生成条件」 「分割点の一括追加」を選択

:分割点の一括追加(1)
「目標とする分割点間の距離」を選び、ここでは[70]mを指定して、[OK]をクリック。

:分割点の一括追加(2)
分割点の設定が完了。縦横断方向の分割点に黄色の〇が付いた平面図が表示される。

:分割点の設定完了
メニューバーの「格子」「格子生成」を選ぶ。

:格子生成(1)
格子生成範囲が青で塗られて、範囲の距離標を示すウィンドウが現れるので、確認して [OK]をクリックする。

:格子生成(2)
「マッピングを実行しますか?」と出るので[OK]をクリックする。

:マッピングの実行確認
格子生成が完了し、格子が表示される。

:格子生成の完了
オブジェクトブラウザーの「格子」「格子点の属性」「河床高(m)」に☑マークを入ると、 格子平面図に標高がカラーコンターで表示され、マッピングの結果が確認出来る。

:マッピング結果の確認
計算条件の設定
メニューの「計算条件」「設定」を選ぶ

:計算条件の設定
「グループ」「流量および下流端水位の設定」で、「流量を与える時間単位」を[時間]とし、 [Edit]をクリックする。

:流量の設定(1)
Figure 100 で3時間の一定流量[2,000㎥/s]を設定して[OK]をクリックする。

:流量の設定(2)
「時間および浸食に関するパラメーター」は下図ように設定する。

:時間および浸食に関するパラメーター
「3次元流速分布」に関しては下図のように設定して。[保存して閉じる]を選択して終了

:3次元流速分布の設定
計算の実行
メニューバーで、「計算」「実行」を選択

:計算の実行(1)
「プロジェクトを保存しますか?」と聞かれるので、「はい(Y)」を選んで、適当な名前で保存する。

:計算の実行(2)
計算が開始される。

:計算の実行(3)
「計算が終了しました。」と出るので、[OK]をクリックする。

:計算の終了
計算結果の表示
メニューで「計算結果」「新しい可視化ウィンドウ(2D)を開く」を選択する。

:新しい可視化ウィンドウ(2D)を開く
可視化ウィンドウが表示されるので、サイズを適当に変更して見やすい状態にする。

:新しい可視化ウィンドウ(2D)の表示
水深の表示
Figure 109 のように。オブジェクトブラウザーで、 「スカラー(格子点)」「Depth(m)」 に☑マークを入れて、[Depth(m)]を右クリックで「プロパティ」を選択すると、 「スカラー設定ウィンドウ」 Figure 110 が表示される。

:新しい可視化ウィンドウ(2D)の表示

:スカラー設定
「スカラー設定ウィンドウ」 Figure 110 を図のように設定して[OK]をクリックすると、 水深コンターが表示される。

:水深コンター図
背景画像の表示
「ファイル」「プロパティ」を選択する。

:ファイルのプロパティ選択
「プロジェクトプロパティ」で「座標系」の「編集」を選択する。

:座標系の編集
「座標系の選択」画面で、「検索」に[Japan]と入れると、「EPSG…….」というのが沢山出てくるので、 その中で、末尾が「XII」のものを選んで[OK]をクリックする。 (日本の座標系については、 http://www.gsi.go.jp/sokuchikijun/jpc.html を参照されたい。)

:座標系の選択
「プロジェクトプロパティ」ウィンドウを[閉じる]

:プロジェクトプロパティウィンドウを閉じる
オブジェクトブラウザーで、「背景画像(インターネット)」「国土地理院(標準地図)」 に☑マークを入れると、背景地図が読み込まれ、表示される。

:背景画像の読み込み完了
背景を写真にしたい場合や、他の種類の地図にしたい場合は、別の項目を☑する。 なお、GUIの操作時に常時背景画像を表示させておくと、操作が非常に重くなるので、 通常は「背景画像」の☑マークを外しておくことを推奨する。
ベクトルと流線の表示
操作方法、表示方法は全章の例と全く同じなので、省略する。
パーティクルアニメーションの表示
オブジェクトブラウザーの「パーティクル」「Velocity」に☑マークを付けて、 タイムバーをゼロに戻し、プレイボタンを押す( Figure 117 )と Figure 118 の水深平均流速によるパーティクルアニメーションが始まる。

:パーティクルアニメーション

:水深平均流速によるパーティクル
表面流速に乗ったパーティクルを赤色で表示する。 「パーティクル」「SurfaceVelocity」に☑を入れて、「パーティクル」を右クリックして 「プロパティ」を選択すると、「パーティクル設定画面」 Figure 119 が表示されるので、図のように設定して[OK]をクリックする。 タイムバーをゼロに戻して、プレイボタンを押すと Figure 120 の 表面流によるパーティクルアニメーションが表示される。

:パーティクル設定

:表面流速によるパーティクル
同様な手続きで、「BottomVelocity」を選択すると、底面流によるパーティクルを表示出来る。

:底面流速によるパーティクル
[計算例 5] 実河川における準3次元流れの計算(複断面)
ソルバーの選択
メニュー画面で、「ファイル」「ソルバの選択」で表示される Figure 122 で「Nays2d+」を選択して「OK」をクリックする。

: ソルバーの選択
河床高標高データ(横断データ)の読み込み
Figure 123 で「インポート」「河床高」を選択する。

: 河床高ファイル(rivファイル)のインポート
Figure 124 で、「compound.riv」を選択して[開く]。(compound.rivは、 https://i-ric.org/yasu/fw/rivfiles/compound.riv からダウンロードして ローカルに保存しておくこと)。

: ファイルの選択
Figure 125 のように「問題が見つかりました」と出るが、構わず[OK]をクリックして 続ける。

: 見つかった問題
Figure 126 「河川測量データインポート設定」 のウィンドウで、 「左岸と右岸の中点」を選択して[OK]をクリック

: 河川測量データインポート設定
Figure 127 rivファイルのインポートが完了する。 なお、実際の河川のrivfileは横断測量断面そのままの場合、断面どうしの交差の回避や不要部分の 無効化など様々な編集が必要となるが、ここでは編集済みのもの用意してある。実際はそれぞれの 状況に応じた対応が必要となる。

: インポート完了
中心線の移動
Figure 128 に示すように、河道中心点を低水路の中央付近に移動させる。 なお、背景画像の表示方法については前章を参照されたい。

: 河道中心点の移動
格子の生成条件の設定
Figure 129 のメニュー画面で、「格子」「格子生成アルゴリズムの選択」を選ぶ

: 格子生成アルゴリズムの選択
Figure 130 「格子アルゴリズムの選択」画面で、「河川測量データから生成」を選んで[OK]をクリック

: 河川測量データから生成
Figure 131 格子生成条件設定完了。各横断線の両端とセンターに青丸が表示された画面となる。

: 格子生成条件設定終了
格子の生成
横断線のうちの一つ(どれでも良い)を選択し、左右岸どちらでも良いので右クリックして、 「分割点の追加(A)」を選択する。

:分割点の追加(1)
「分割数」ここでは[8](中央から半分の断面を8分割するという意味)を指定して[OK]をクリック。

:分割点の追加(2)
Figure 132 で選択したのと反対側の横断線を選んで、右クリックし、 「分割点の追加(A)」を選択する。

:分割点の追加(3)
「分割数」ここでは[4] Figure 133 で指定したのと同じく 左右岸対称の分割数とする。

:分割点の追加(4)
縦断方向の分割数は一括して指定する。メニューバーから「格子」「格子生成条件」 「分割点の一括追加」を選択

:分割点の一括追加(1)
「目標とする分割点間の距離」を選び、ここでは[50]mを指定して、[OK]をクリック。

:分割点の一括追加(2)
分割点の設定が完了。縦横断方向の分割点に黄色の〇が付いた平面図が表示される。

:分割点の設定完了
メニューバーの「格子」「格子生成」を選ぶ。

:格子生成(1)
格子生成範囲が青で塗られて、範囲の距離標を示すウィンドウが現れるので、確認して [OK]をクリックする。

:格子生成(2)
「マッピングを実行しますか?」と出るので[OK]をクリックする。

:マッピングの実行確認
格子生成が完了し、格子が表示される。

:格子生成の完了
オブジェクトブラウザーの「格子」「格子点の属性」「河床高(m)」に☑マークを入ると、 格子平面図に標高がカラーコンターで表示され、マッピングの結果が確認出来る。

:マッピング結果の確認
計算条件の設定
メニューの「計算条件」「設定」を選ぶ

:計算条件の設定
「グループ」「流量および下流端水位の設定」で、「流量を与える時間単位」を[時間]とし、 [Edit]をクリックする。

:流量の設定(1)
Figure 146 で3時間の一定流量[2,000㎥/s]を設定して[OK]をクリックする。

:流量の設定(2)
「時間および浸食に関するパラメーター」は下図ように設定する。

:時間および浸食に関するパラメーター
「3次元流速分布」に関しては下図のように設定して。[保存して閉じる]を選択して終了

:3次元流速分布の設定
計算の実行
メニューバーで、「計算」「実行」を選択

:計算の実行(1)
「プロジェクトを保存しますか?」と聞かれるので、「はい(Y)」を選んで、適当な名前で 保存すると計算が開始される。

:計算の実行(3)
「計算が終了しました。」と出るので、[OK]をクリックする。

:計算の終了
計算結果の表示
メニューで「計算結果」「新しい可視化ウィンドウ(2D)を開く」を選択する。

:新しい可視化ウィンドウ(2D)を開く
可視化ウィンドウが表示されるので、サイズを適当に変更して見やすい状態にする。

:新しい可視化ウィンドウ(2D)の表示
水深の表示
Figure 154 のように。オブジェクトブラウザーで、 「スカラー(格子点)」「Depth(m)」 に☑マークを入れて、[Depth(m)]を右クリックで「プロパティ」を選択すると、 「スカラー設定ウィンドウ」 Figure 155 が表示される。

:新しい可視化ウィンドウ(2D)の表示

:スカラー設定
「スカラー設定ウィンドウ」 Figure 156 を図のように設定して[OK]をクリックすると、 水深コンターが表示される。

:水深コンター図
背景画像の表示
「ファイル」「プロパティ」を選択する。

:ファイルのプロパティ選択
「プロジェクトプロパティ」で「座標系」の「編集」を選択する。

:座標系の編集
「座標系の選択」画面で、「検索」に[Japan]と入れると、「EPSG…….」というのが沢山出てくるので、 その中で、末尾が「XII」のものを選んで[OK]をクリックする。 (日本の座標系については、 http://www.gsi.go.jp/sokuchikijun/jpc.html を参照されたい。)

:座標系の選択
「プロジェクトプロパティ」ウィンドウを[閉じる]

:プロジェクトプロパティウィンドウを閉じる
オブジェクトブラウザーで、「背景画像(インターネット)」「国土地理院(標準地図)」 に☑マークを入れると、背景地図が読み込まれ、表示される。

:背景画像の読み込み完了
背景を写真にしたい場合や、他の種類の地図にしたい場合は、別の項目を☑する。 なお、GUIの操作時に常時背景画像を表示させておくと、操作が非常に重くなるので、 通常は「背景画像」の☑マークを外しておくことを推奨する。
ベクトルと流線の表示
操作方法、表示方法は全章の例と全く同じなので、省略する。
パーティクルアニメーションの表示
オブジェクトブラウザーの「パーティクル」「Velocity」に☑マークを付けて、 タイムバーをゼロに戻し、プレイボタンを押す( Figure 162 )と Figure 163 の水深平均流速によるパーティクルアニメーションが始まる。

:パーティクルアニメーション

:水深平均流速によるパーティクル
表面流速に乗ったパーティクルを赤色で表示する。 「パーティクル」「SurfaceVelocity」に☑を入れて、「パーティクル」を右クリックして 「プロパティ」を選択すると、「パーティクル設定画面」 Figure 164 が表示されるので、図のように設定して[OK]をクリックする。 タイムバーをゼロに戻して、プレイボタンを押すと Figure 165 の 表面流によるパーティクルアニメーションが表示される。

:パーティクル設定

:表面流速によるパーティクル
同様な手続きで、「BottomVelocity」を選択すると、底面流によるパーティクルを表示出来る。

:底面流速によるパーティクル
参考文献

